Thunderbirdには標準のエクスポート機能が用意されていない。メールをOutlook用のPSTとして、あるいはアーカイブ用にPDFやDOCとして書き出したいとき、専用のツールが必要になる。候補に挙がる名前は2つある。無料アドオンのImportExportTools NGと、CoolUtilsのTotal Thunderbird Converterだ。一方はThunderbirdの中で動作し費用はかからず、もう一方は有料のスタンドアロン型コンバーターだ。両者は同じ課題を、正反対の立ち位置から解決している。
クイック回答:Thunderbirdの中から無料でEML、HTML、PDFへ書き出すだけなら、ImportExportTools NGが正解だ。Outlook用のPSTが要る、DOCやTIFFで出力したい、添付ファイルも変換したい、コマンドラインでフォルダをまとめてバッチ処理したい、あるいはThunderbirdを開かずにプロファイルを変換したい — そんなときはTotal Thunderbird Converterの$49.90が価値を発揮する。
ImportExportTools NGはThunderbird公式のオープンソースアドオンであり、Total Thunderbird Converterは有料のデスクトップアプリだ。違いが表れるのは、出力形式、添付ファイルの扱い、そして自動化の3点だ。以下のアドオンの情報は、2026年7月時点のThunderbirdアドオン一覧およびGitHubプロジェクトの記載に基づく。
| Total Thunderbird Converter | ImportExportTools NG | |
|---|---|---|
| 価格 | $49.90(一回払い)、Pro版は$99.90 | 無料、オープンソース |
| Thunderbirdなしで動作するか | 対応 — プロファイルや単体のMBOX/MSFファイルを直接読み込む | 非対応 — Thunderbird内のアドオンとして動作 |
| Outlook用のPSTへエクスポート | 対応 — 有効なPSTを作成、Outlook不要 | 非対応 |
| 出力形式 | PDF、DOC、HTML、TXT、TIFF、EML、PST、Markdown | EML、HTML、PDF、CSV、プレーンテキスト |
| 添付ファイル | 保存または展開。Pro版はDOC、XLS、PDF添付ファイルを変換し、出力ファイルに埋め込む | エクスポートされたメッセージと並べて保存される |
| フォルダのバッチ処理 | 対応 — 数千通のメールを処理、フォルダ構造を保持 | 対応 — フォルダとそのサブフォルダ |
| コマンドライン | 対応 — ThunderbirdConverter.exe、.bat対応 | 非対応 |
| サポート | CoolUtilsによる商用サポート | コミュニティ、オープンソースのIssueトラッカー |
ImportExportTools NGは無料でオープンソースであり、Thunderbirdプロジェクト自体の下でメンテナンスされている。アドオンとしてインストールされ、どのフォルダでも右クリックメニューから使える — 別のアプリを開く必要も、ライセンスを購入する必要もない。1回限りの作業 — フォルダをEMLとして取り出す、スレッドをHTMLとして保存する、1通のメッセージをPDFに落とす — であれば最速の手段であり、アドレスやメタデータの一覧が必要なときはメッセージの各項目をCSVへ書き出すこともできる。
Thunderbird自身のストアを読み込むため、書き出される内容はクライアントで見えているものとまったく同じであり、フォルダツリーのmboxエクスポートは実用的なバックアップになる。たまに行う無料のクライアント内エクスポートであれば、これが正しい選択肢だ — この比較記事もその点を否定するつもりはない。
これは有料ツールを選ぶ最も明確な理由だ — ImportExportTools NGはそもそもPSTを書き出せない。Total Thunderbird Converterでは、プロファイルを自動検出させ、移行したいフォルダにチェックを入れ、PSTボタンをクリックし、保存先を選び、フィールドや結合のオプションを設定してから、Startを押す。フォルダ構造を保ったまま有効なPSTが作成され、変換用のマシンにOutlookは不要だ。手順の詳細はThunderbird を PST に変換ガイドを参照してほしい。
できる。ImportExportTools NGはメッセージをPDFへ書き出せる — メッセージごとに1つのPDFにするか、フォルダ全体を1つのファイルにまとめるかを選べるので、シンプルなPDFアーカイブであれば無料アドオンで十分だ。限界が見えてくるのはPDFの先だ — DOCやTIFF出力はなく、添付ファイルは変換・埋め込みされず個別のファイルとして保存されるだけだ。編集可能なDOC、画像品質のTIFF、あるいは添付ファイルを文書に埋め込みたいときは、Total Thunderbird Converter — 添付ファイルの変換にはPro版 — がその役割を果たす。
どちらもフォルダ全体を処理できる。ImportExportTools NGはメニューからフォルダとそのサブフォルダを書き出し、Total Thunderbird Converterはそこに無人自動化を加える。オプションを一度設定すれば、そのコマンドを.batファイルやタスクスケジューラで繰り返し使い回せる:
ThunderbirdConverter.exe -sPST "C:\Users\John\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\abc123.default\Mail\Local Folders\Inbox" C:\Output\Inbox.pst
ここで-sPSTは変換先の形式を指定する — -sPDF、-sDOC、-sTIFFに置き換えることもできる — 2番目の引数は変換元のMBOXまたはプロファイルフォルダ、最後が保存先だ。複数行をつなげれば、夜間に複数のプロファイルをまとめて処理できる。ImportExportTools NGにはコマンドラインがないため、スクリプト化されたスケジュール実行という点で両ツールの道は分かれる。
ImportExportTools NGは無料で、クライアント内エクスポートに関しては実際に優秀だ — それがすべての作業であれば、これを使えばいい。PST移行、DOCやTIFF出力、添付ファイルの変換、無人バッチ処理が必要な作業であれば、Total Thunderbird Converterは$49.90(Pro版は$99.90)だ。30日間の試用版は全機能が使え、メールアドレスもクレジットカードも不要だ — 決める前に、自分のメールボックスで実際に試し、出力を見比べてみてほしい。
無料トライアルをダウンロードして、ファイルを数分で変換。
クレジットカードもメールアドレスも不要。